……

 目覚めれば昼過ぎているというのが土曜日の朝。
 温まった布団の中でぼんやりと目を開けて、カーテンの外の明るさを確認する。
 ああ、また昼過ぎてるよとか思いながら夢すら見ない重い頭を上げて、もぞもぞと布団から這い出す。
 時間が時間なだけに今日も布団は干せない。
 そもそも北側の部屋に住んでいるから布団を干すというよりは風通しをするだけなんだが。
 昨日は何を考えていたのだろうと思いながら髪を括り浴衣を着直し、布団を畳んでカーテンを開ける。
 掃除はなんだかする気が起きない。
 夜中じゅうジュークボックス代わりにしていたパソコンの画面の電気をつけて、昨日書いていた小説を読み直す。
 最後の方は半分寝ながら書いているせいか自動書記状態で、たまになかなか面白いことが書いてあったりするのだが昨日は至ってまともだったらしい。
 これならもうちょっとで上げられるなとか思いながら腱鞘炎のせいで重たい腕を上げてかたかたとキーボードを叩く。
 疲れてきたら冷蔵庫をあさって食べられそうなものを探す。
 お菓子は買わないようにしているからろくな間食がない。
 それなのに体重が減らないのはある意味ミステリーと言うべきかなんて馬鹿なことを考えて、仕方なくチーズやらハムやらをかじりながら窓の外を眺める。
 寮の向かいの棟の屋上には鳩が二羽。
 年がら年中仲よさげにくっついたり離れたりしている奴ら。
 鳥独特の妙に機械っぽい動きを眺めて、飽きたらまた無味乾燥な画面に文字を綴る。
 メッセンジャーに登録している人がサインインしてきたりするのを横目で眺めて、ああ、あのひとはきっと元気でいるんだろうなんてぼんやりと思う。
 そうこうしているうちに日が暮れる。
 六時になったらご飯を炊いて、六時半になったらお風呂に入って、温まった体で食事を摂る。
 食器を片付けたら適当にネット巡回と調べもの。
 小説の続きを書いたり取り置きのアニメを見たりしているうちに結局夜中の4時過ぎる。
 いい加減眠くなったら布団を敷いて夢も見ずに眠る。