不幸なのか幸せなのか。
本を読むのが早いのは良いことだ。人生の時間を無駄にせずにいられるから。
しかし、それが一抹の不幸を伴うことも確かであって、それはひとえに私の財布の中身と本棚の空き容量が無限ではない事に由来する。
何はなくとも本があれば一応幸せだというのに、本を買っても本の置き場を考えなければいけないとなると素直に喜べないのは、何というか本当に苦しい。
……要するに、これは昨日買った本を朝の通勤時間と昼休みで読了してしまった闇影の苦悩である。
大体、僕は一旦読んだ本(特に小説)は殆ど内容を覚えている。
だから忘れるまで一年くらいは再読しないことにしている……っていうか、読んでも面白くないのだ。
だからどうしても本棚にどんどんと本が溜まっていく。
毎回毎回本棚の整理をするのは結構面倒で、それでいて嬉しい──相反する感情を与えてくれるのは有り難いのだが、まあ、どっちにしても空間は限られているわけで、五日足りなくなるのは目に見えているんである。
手元に置いておきたいのにそうはいかない。
困った。