らしい。

 気付いたら家からメールが入ってた。
 うちで飼ってた犬が死んだらしい。
 柴っぽい感じのいやに鼻面の長い馬鹿なヤツだったんですが、10月の終わりくらいから腹に水が溜まって歩けなくなって、やばいなぁなんて言ってたんですよ。
 そのくせ年末まで帰ってくる予定ないから待ってろなんて無茶なこと言ってみたり。
 なのに、ここ半月くらいかな? 最近腹の水も抜けてふらふら立つようになってたらしいんですよ。
 いわゆる小康状態ってやつ。
 具合が悪いヤツが妙に元気になったら実はいよいよ危ないんだなんてことはわかってたけど、やっぱし死んだって聞かされるのって嫌なもんです。死に目に会うのも嫌だけど。
 大体、こんな時期に死ぬなら私のいる間にしてくれたらいいのになんて恨みがましいことも思わないではないんですけど……3日までは家にいたのに。

 そういや犬関連と言えばアメリカかどっかでは子供ができたら犬を飼えって言われてるらしい。
 理由は、子供が小さいときは良い遊び友達兼護衛になるし、ある程度子供が大きくなってきた頃に犬が寿命を迎えるからその身でもって命の大切さを教えてくれると言う次第。
 上手くできてるけどなかなか子供にとっては酷いはなし。
 そりゃまあ人間が死ぬよりはよっぽどいいんだけど。
 
 しかし、大抵奴らは人を置いてきぼりにする方で、置いてかれる側に立つことは滅多にないんだからちょっと羨ましい。
 置いてかれたら置いてかれたで犬なんかは未練がましく主人を捜しそうで嫌ですけど。
 大体、家で飼ってる動物は何で私のいない間に死んでしまうんだろうと思う。
 自宅が引っ越す前に猫を飼っていたんですが、そいつも私のいない間にいなくなってた。
 おかげで、たまに真っ暗な前の家の中で猫が餌を待ってるんじゃないかなぁなんて思っていたたまれなくなるときがあったりする。
 犬も実は前の家の周りの細い通路を走り回っていた印象の方が強いし。
 これで闇影の兄弟分も同い年の文旦の木(2本)だけになっちゃいました。
 毎年幹が裂けるほどたわわに実をつけてくれる文旦。
 あの兄弟分は切り倒しでもしない限り死ななさそうだから頼りがいがあるけど……
 
 あー、畜生。鼻水出てきた……
 できれば、こんど奴らが生まれてくるときには人間以外の何かに生まれ変われますように。できれば誰の手も入らないような場所の樹が良いと思う。