68の車輪

http://www.kagakueizo.org/2009/03/post-72.html
 30万キロボルトアンペア巨大な変圧器を、完成した姿で日立の国分工場から鉄路柏駅へ、そこから千葉市郊外の東東京変電所に陸路で運んだときのドキュメンタリー映像らしいです。

 機関車(!)で運ばれてくる巨大な変電施設!
 舗装されていない、田んぼの中の曲がりくねった田舎道(今の感覚で言えば太めのあぜ道と大差ない感じ)を進むトレーラー!
 電柱や家の軒先すれすれをかすめる超重量トランス!
 軟弱な橋を、地盤の緩い細い道を補強する作業員!
 なんか子供とか地域の人がめっちゃ見てる!
 空から撮影された、90度のカーブを曲がる様子なんか、圧巻ですよ。
 ほんのちょっとでもめり込んでしまったら、立て直しは不可能。
 時速2キロという人の歩み寄りも遅い速度で進む車が、ものすごい緊張をはらんでいるのが映像からでも伝わってきます。
http://www.kagakueizo.org/2009/03/post-12.html
 撮影の際の話しを、合わせて読むとさらにおもしろいですよ。
 しかし、この作業に携わった人たちはほとんど他界してるんだなぁ……
 
 1965年製作だから、昭和40年か。
 ちょうど高度経済成長期で、日本が将来の希望に満ちあふれていたころの話しですね。
 映画を見ていると、運べないモノはないのです! とか、当時の人々の希望と自信の程がうかがえます。
 
 ちなみに、東東京変電所は今は新野田変電所という名前の超高圧変電所(世界最大級)へと生まれ変わっているようです。
 新野田変電所の北側の敷地が旧東東京変電所のようですね。
 調べてみるといろいろ面白いので、興味が出た方は調べてみるとよろしいかも知れません。

 こういう映像を見ていると、空調着けっぱなしにして電気をたれ流しちゃいかんなぁって気持ちになります。
 正直、地球云々よりもこういう努力があってこその快適な生活なんだから、資源を大切に! って言った方が、近くて実感しやすいと思うんですよね。