ハレの日
先週の金曜日に祭りがあったらしい。
僕は今まで生きてきて片手で数えることが出来るくらいしか祭りに行ったことはないが、なんとなくあのハレの雰囲気には惹かれるものがある。
会社から出て電車に乗りバス停に立つ。
じりじりと増えていく仲の良さそうな男女、浴衣姿の女性、子供を連れた夫婦。
皆一様に同じ場所に向かって流れていく。
僕はそれを眺めながら、日常と非日常の境に位置する場所において、訪れもしない祭りの雰囲気を楽しむのだ。
実のところ、僕は祭りの前の高まりよりも祭りの後にふと感じる名残のような余韻の方が好きだ。
ついでに言うと祭りの最中はあまり好きでなかったりするのだが。
でもって、ここからが本題。
バスを待ちながら人の流れをぼんやりと眺めていると、当然の事ながら浴衣の女が通り過ぎていく。
別に着飾った女の子が嫌いな訳ではないから子細に観察していると、どうも気になることがある。
それは、
道行く女性の大半が浴衣の帯をきつく締めすぎなんじゃないか?
そして、ちょっと裾を上げすぎなんじゃないか?
ということである。
馬鹿なことをと言うなかれ、僕にとってはかなり重要な点なのである。
腰が細いのはよく判る。
しかし、帯に皺が寄るほど締めなくても良いんじゃないか? と、僕は思うのだ。
折角着物(もどき)を着ているのだから、それに合わせた着方をしようよ、と。
つーか、しろ。
着物姿の魅力はそのなだらかな起伏だ。
それを消してしまって、お前達は着物の何を着ていると言うんだ?!
しかもその裾。
くるぶしが見え隠れするくらいの長さが一番綺麗だ、と僕は確信している。
歩くたびにちらと覗く足首のチラリズム! もう最高である。
ついでを言えば襟元から覗く項も良いなぁ。
それなのに……それなのに!
足首から10センチも上に留めちゃだめだろ、そこ!
なんとなく叫びだしたい気分になって、げんなりしたところにとどめが来た。
……なんと、
浴衣姿でチャリ二人乗り。
………………
お前らに着物を着る資格はねぇ!! 脱げ!!(怒