雨がくる虹がたつ
わかる人には↑だけで私が今さっき見たアニメがわかるだろう(笑
そんなわけで。
間近で虹を見たことがあるだろうか。
遠く、空の上でぼんやりとしているアレではなくて、手を伸ばせば触れそうなくらい近くにある虹を。
私は見たことがある。
距離にしてほんの15か20メートル。
10メートルばかしの私道を挟んだバレエコートの中、ほんの少し飛び出せばその中に飛び込めそうなくらい近くにあるそれに出会ったことがある。
あれを見て初めて、わざわざ寒い国にまで見られるかどうかわからないオーロラを見に行く人の気分がわかったと思った。
オーロラがナイアガラだとすれば虹なんてその辺のせせらぎ程度の規模くらいしかない。
それでもあれは特別だった。
どうしようもなく魅力的だったのだ。
空に掛かるものとしてではなく、圧倒的に落ちてくるものでもなく、肌理がわかるくらい近い光の柱なんて、見ようと思って見られるものじゃない。
視界を上から下まで縦に貫く柔らかい光の束。
あの虹を見て以来、確かに心の中で疼くものがある。
いつかもう一度、あの僥倖に与ることができたら。
そう思う。
あれになら惑わされても惜しくない。