幼少

 昔の写真を持ち寄る機会とかがあって、知り合いの子供の頃の写真を見せてもらった。
 その写真の中にあるのは今なら絶対にできないようなやたら無邪気な笑みとかを浮かべたその人であるわけで。
 確かに面影はあるのだけれど、なんとなくそれは別のもののような気がしてしまう。
 子供の笑みはなんとなく破壊的だ。

 もちろん僕の写真もあるわけだけれど(さんざん偽者だとか別人だとか言われた)、……ふとそれを見ていて思った。
 僕たちが少々馬鹿なことをやってもわがままを言っても、小賢しい言葉ばかり身につけて酷いことを言ったとしても、親が見捨てないでいてくれるのは、ひょっとすると子供の頃のあの笑みとかを覚えていてくれている所為なのかも知れないな、と。