明るいうちは

 憂鬱です。
 明るくてまぶしくて希望に満ちている春は苦手です。
 生命力に溢れてぎらついた夏は嫌いです。
 熱さに粘ついた空気の向こうで誰かがはしゃいでいるかと思うとそれだけで腹立たしい。
 僕は部屋の中でじっとしていたいだけなのに、外に行かないのかと問われるだけで鬱陶しい。
 こんなにクソ暑くて眩しい中を、どうやって遊びに行けというのだろう。
 あぁ、誰かこの空を涙で曇らせては呉れまいか。
 そうしたら少しは外に出ようと言う気にもなるのだけれど。