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夜の明ける気配に絶望し、
陽の元に出てはその熱を恨み、
暮れに沈みゆく陽を臨みて明日の陽が再び昇らぬことを夢見、
夜に座してはこの夜が永遠に続かんことを嘆き、
灯を消しては永久にこの眠りが醒めぬことを願い、
再び目覚めては昇る朝日を呪う。
朝は嫌いだ。
昼も嫌いだ。
明るい日差しは悪意に満ちている。
熔けそうにクソ熱い日差しを浴びているだけで頭がおかしくなってくる。
何でもかんでもぎらぎらと照らし出すあの光球に希望を見いだす人間の気が知れない。
あれは大気の層で薄められ色を変えた狂気であり悪意であり殺意なのだ。
日の光の下にいると、その時間に比例して疲労が増していく。
頭も、体も、心も、じりじりと灼かれて削られていくような気がする。
ああ、要するに、僕は昼間が嫌いで、もしできるなら吸血鬼か何かのように夜と闇に棲みたいか、もしくは生まれて来たくなかったんじゃないかと、そう思う。